今なら活かせる「他生の縁」。過去から学べることはやっぱり山ほどある。誤って芸能人の一員として扱われた経験について。
日本のどこに行くにもいつもギターを手放さなかった20代の頃。
札幌→羽田の飛行機で、やたらと厚遇されているのを感じた時がありました。
確か、当時できたばかりの少し広めの席にアップグレードして、受付カウンターから楽器を預ける時も、機内で席に座ってからも、とにかく全て普段より何かしら対応が良い。
飛行機が離陸して、しばらくしてわかった。
すぐ隣の席から聞こえてくる声が、聞いたことのある声で、しかも大好きな声。
そっと目を向けると、歌手の尾藤イサオさんが隣に座っていらした。
当時、音楽バラエティーで芸人顔負けの底抜けの明るさでボケ役もこなし、ひとたびマイクの前で歌い出せばパワフルなハスキーヴォイスで歌い上げ、ビシッとカッコよく決めてくれる。
私とほぼ変わらない背丈で、テレビの向こうのかっこいい兄貴のような存在。
実際は親父と言ってもいいくらい離れているのですが、、、あの若さというか兄貴な感じが憧れで、とにかく無条件に好きでした。
航空会社の私に対する厚遇の意味がわかったのと同時に、嬉しさは止まらない。
話しかけてサインを貰おうかな、、、、失礼かな、、、タイミングは?
そんな逡巡する憧れ意識以上に私の行動をとどまらせたものがありました。
ギターを預けて隣の席にすわっている私も、尾藤さんのツアーメンバーと勘違いされていること。
だってね、それまでなかったくらいに当たりがいいんですよ。
厚遇されているのをビシビシ感じるの。
ああ、テレビに出ているアーティストさんってこういうふうに扱われるんだ!
今なら、憧れる気持ちに素直になって話しかけちゃうと思うのです。
自分もエンタメ業界の端くれに立っていて、自分も演者側にいつつ、泥まみれになりながらイベントプランナーとして演出家として走り始めたばかり。お金なんて無いのにプチご褒美でアップグレードした座席で芸能人の関係者と勘違いでGSやCAさんに厚遇されて、隣を見たら憧れの芸能人が居て。
つまらない自意識が、話しかけるのをとどまらせてしまいました。
今思えば、この時、いろいろなチャンスが転がっていました。
・仕事もらえたかも
・デビューのきっかけになったかも
・仕事の依頼ができたかも
過去にもしも〜だったら。は苫米地式コーチングでは無意味です。
過去は関係ないのですから。
ただ、未来のゴールのために、抽象度を上げ下げをしてみるのに良い素材です。
当時の自分をクライアントにして、現在の自分がコーチになって、スコトーマ(心理的な盲点)を見つけて、こうする方法もある、こんな可能性もあるね。と考えてみるのです。
過去はやり直せないのですが、抽象度を上げて未来側の自分が今の自分を見たらどんなスコトーマがあるだろう?ってセルフコーチングしてみるのです。
注意!:情動が動いちゃうような過去の失敗などは、忘れてください。
失敗の認識が強化されてしまうので利用しない方が得策です。