「良いお年をお迎えください」という言葉のプレゼント
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年の瀬を控えて「良いお年をお迎えください」というあいさつを
たくさん受け取りました。
ありがとうございます。
あらためてとても素敵なあいさつだなと感じました。
言祝ぎとして、
予祝として、
そして未来から流れる時間を感じる言葉として。
相手の幸福な未来を願う言葉で、
短くて身近なアファメーション のプレゼントです。
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良い年を迎えるため
良い年を迎えるためにとても良い言葉だなぁと思い、また一年を振り返る機会の多くなる今、「時間」について触れておきたいと思います。
時間は未来から
まずはじめに、オーセンティックなコーチングにおいて時間は….「未来から過去に向かって流れる」と徹底して伝えます。
本で読んだり、動画で説明を見聞きしたことがある方も、言いたいことはわかったけど、体感が伴わないという方も少なくないと思います。
この体感がとても大切なんです。
正直に言って、私も体感を伴うまでに時間がかかりました。
「時間の流れは存在しない」?
理論物理学では「時間の流れは存在しない」という説明もあって、
仏教哲学における「一念三千」や「縁起」の思想にも繋がっていくものですので、言語や文化の中に仏教的な概念やアニミズム的な自然観が織り込まれている日本ではむしろ馴染みのある感覚です。
とはいいつつも、実際の暮らしのなかで私たちは時の流れを感じていて「さっき」も「あとで」もあり、「このあいだね」と「こんどね」の曖昧な離れ具合も、「昔はさぁ」と「将来はさぁ」の情感を伴う遠い響きも感じています。
成功哲学では、時間のコントロールが最優先課題
掴むことが出来ないので、そこにあって無いような存在の時間ですが、時間こそが
世界で唯一、等しく共有されている情報だといっても過言ではないでしょう。
だからこそ、成功哲学を説く先人たちは口を揃えてこの時間に対する自己の
コントロール力を確固たるものにするのが最優先課題だと伝えています。
人は過去を見ている、自分自身のことも
ところが、時間のコントロールを制していようとなかろうと、人はこれまでの実績でしか判断しないものです。
これからの未来は開かれていて、可能性は無限にあるのに、経歴などの実績でしか判断していません。
◯◯大学卒業
士業の資格者
◯◯訴訟を勝ち取った弁護士
◯◯賞受賞者
◯◯の代表者
ベストセラー作家
金メダリスト
といった具合です。
実績とはつまり、過去
実績とはつまり、過去を見て判断しているのです。
上記の例はいずれも良い面の素晴らしい実績ですが、悪い実績や評判ならどうでしょうか。尚更のこと、評価を低くするのではないでしょうか。
なぜか著名人の話には耳を傾けても、隣にいる家族の言葉を軽んじている、
なんてことになりがちです。悪い評判を耳にすると、それが事実ではなくても、これからどれだけ素晴らしいことをする人間かどうかには目を向けないのです。
これは他人の評価だけでなく、自分自身の評価においても同じことをしているんですよね。
「自分はこういう人間だ」 「こういうタイプなんだよね」「それは嫌い、苦手、無理」
自己イメージ、自己評価というものも大きな要因の一つです。
実に、これがやっかいなところです。
時間は未来から過去に向かって流れる
繰り返しになりますが、コーチングでは、時間の流れを「未来から過去に向かって流れる」と
説明します。
コーチングを受けようとして、大きく変化して成長したいという願いとは裏腹に人はなかなか変わることができません。これまでの評価やこれまでの判断や行動のクセが、変化成長を妨げる要因そのものでもあります。
自分らしさが、自分の成長を妨げている…なんとも言えない矛盾を孕んでいるように見えます。
そこで、オーセンティックなコーチングでは「時間は未来から過去に向かって流れる」
「未来に過去は関係ない」と言い切るのです。
もうこの文章の中だけで3度目ですね。
まさに再三にわたって伝えていくほど大切なことのです。
ゴールが先、認識は後
「ゴールが先、認識は後」というのはルー・タイスが繰り返し伝えてきたことでもあります。ゴールを設定したら、やり方は後で見つかるし、やりながら発明していくのだ。という考え方で、認知科学的にとても理に適ったことです。「ゴールが新たな認識を生み出す」のです。これはスコトーマ(心理的盲点)の原理と密接に関わります。 現状の外側のゴールが上手に設定されると、必要なものが自然に認識に上がるようになります。
ゴールは未来のこと。それ設定するのは今。
ゴールは未来に向けて今、設定するものです。
過去を原因とする因果関係から脱却して、未来からの因果に切り替えることでもあります。
時間の概念を未来からの流れにひっくり返すことが、スコトーマを外すのにもっとも大きな効果があるのです。
また、未来因果に切り替えることで、相応しいゴール設定=現状の外側のゴール設定ができるようになる大切な一歩でもあります。
それほど、誰もが何気なく扱ってきた一般的な時間の感覚は、現状維持を繰り返す強固な「信念」でもあり、障壁でもあるのです。
コーチングは未来を扱う。未来を今、扱う。
コーチングで扱うのは未来です。
過去のことは扱いません。
ですが、アプローチするのは今この瞬間のことです。
今、ここからどこに向かうか、ということです。
「良いお年」をイメージ
「良いお年」を、「良い新年の三が日」に焦点をあわせてみると、身近でイメージが湧きやすいのではないでしょうか。
初詣、餅つき、お節やお雑煮や、年賀状やカルタだったり、お年玉や初笑いといったゆったりと穏やかで幸せなイメージがあるかと思います。
今、未来に良いイメージをして、それを迎え入れる。
未来のゴールの設定方法も、その迎え方も基本は同じです。
今あらたなゴールをイメージして、穏やかな新年の三が日のように迎えることです。
ゴールを新たにすることは、新しい「信念」を迎え入れることでもあります。
あなたが幸福な新年をお過ごしになりますことを心よりお祈り申し上げております。
とうぞ、良いお年をお迎えください。
Synth-A Coaching 代表
苫米地式コーチング認定コーチ
横田 正男
偉人たちの時間にかかわる名言
【量子論の時空を先取りした感性】
「過去も未来も存在せず、あるのは現在と言う瞬間だけだ。」トルストイ(小説家・思想家|19世紀)
【未来のために今に集中する言葉】
「未来とは、今である。」マーガレット・ミード(文化人類学者|20世紀)
【主体性で表す時間】
「流れ進むのはわれわれであって、時ではない。」トルストイ(前出)
【ベストを尽くして成長をし続ける時との関わり方】
「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。」マハトマ・ガンジー
(宗教家、政治指導者|20世紀)
【今この一瞬にすべてある、という縁起思想の世界観が折り畳まれた一言】
「一念三千」智顗(僧侶|6世紀)